朝日新聞

            2005.12.24.

 

東洋の心 伝えたい

「恩師」と共に 国連で展覧会

東京在住の中国人写真家、汪蕪生(ワン・ウーシェン)さん(60)=写真、石川文氏撮影=が、ニューヨークで20日から国連60周年記念展「東洋の心」を開いている。恩師と慕う日本画家の東山魁夷さんの作品も加えた日中共同展だ。

国連本部1階の会場に並んだのは、汪さんが30年間撮り続ける中国・黄山の写真42点と、「白馬の森」など東山さんの代表作10点の複製画。81年に留学生として来日した際に指導してくれた東山さんは、汪さんが7年後に出した写真集に序文も寄せてくれた。「東山先生と私の作品は手法こそ違うが、共に東洋の『調和』の精神が宿っている。中国と日本は政治でぎくしゃくしても、文化や芸術で心は一つ。人類の希望である国連の場で調和と平和を世界の人々に見てほしい」

開幕を祝う会にはアナン事務総長夫妻も出席した。展覧会は来年3月10日まで。(鶴見知子)