朝日新聞

            2005.12.02.

 

中国人写真家・汪蕪生と宮元亜門が対談

ニューヨークの日本クラブで先月28日、日本を拠点に国際的に活躍する中国人写真家・汪蕪生(ワン・ウーシェン)さんと、昨年「太平洋序曲」で東洋人初の演出家としてブロードウェー・デビューを果たした宮本亜門さんによる対談「『東洋の心』山水の美〜国連展の開催にあたって」が開かれた。

2人の対談は、国連発足60周年を記念し、今月20日からニューヨーク国連本部で開かれる日本画家・東山魁夷(ひがしやま・かいい)と中国の名山、黄山の写真を撮り続けている汪さんの「山水の美」をテーマにした作品展に先立って行われた。

新聞社の報道カメラマンだった汪さんは、初めて黄山を訪れた時、言葉にできないほどの衝撃を受けたという。「黄山の山頂に立った時、無限に広がる宇宙を身体で感じた。黄山の何億年の存在に比べたら人間お一生は一瞬、私の魂が永遠に残る人生を送りたい。自分の作品を残したいと思った」。だ合った瞬間の感激を表現したくて、今日まで30年間黄山を撮り続けている作品は水墨画にも似たモノクロの世界だ。自らの作品を「山水写真」と名づけた汪さんは「私の作品は実際の風景ではなく私の心を表現している」と語った。

宮本さんもロンドン、ニューヨークの留学を経て、アジアの魅力的な文化を改めて意識したことなどを話した。

国連での展示会は20日から来年3月10日まで、国連本部1階展示ホールで開かれる。