《日本と中国》

            2000.06.15.

 

汪蕪生  山水写真展

黄山幽玄の心象風景

7月16日まで
――東京都写真美術館

 

中国安徽省出身の汪蕪生さんは1974年以来、故郷の名山「黄山」をモチーフにして、モノクロ写真で心象風景を描き、〃山水写真〃という独自のスタイルを確立してきた。

現在、東京都写真美術館において3力月間にわたる写真展を開催中。ここに展示されている約80点は、98年、オーストリアのウィーン美術史博物館で開いた個展「天上の山々」への出展作品で、日本初公開のものばかり。

ウィーン美術史博物館は、ルーブル、プラドとならぶ欧州3大美術館のひとつ。汪さんは同美術館において現存芸術家として初めての個展、しかも、初めての写真展、初めての東洋人と3つの〃初〃をなし遂げた?「芸術は感動だ」と言い切る汪さんは、「自分が感動し、それをメッセージとして伝える強い衝動があれば、作品の力となって、新たな感動をよぶ」との固い信念を持つ。

汪さんの次の――テーマは「日本の自然と人間社会の接点」。

中国安徽省蕪湖市生まれ。安徽師範大学物理学科卒業。1973年安徽省新聞図片社の力メラマンに。81年日本ヘ留学。国際交流基金研究員、日本大学、東京芸術大学などで学ぶ。個展、作品集など多数。フォト・アーティストとして国際的に活躍中。5月に来日した唐家?中国外相も同写真展を参観した。