「財界」

            2000.06.13.

 

来日した唐家旋・中国外務大臣の“忙中閑”

平岩外四・経団連名誉会長の案内で足を運んだある個展

 

「私は再び眼前に神韻を帯びた黄山の風景が次々に浮かび上がるのを感じた。白黒のフィルムによる撮影に、中国古来の水墨画の持つ深い味わいに通じるものか表れている」――日本画家・故東山魁夷氏かこう評した写真家・汪蕪生(ワン・ウー・シェン)氏の個展に、来日した中国の唐家旋・外務大臣か多忙な公務をおして足を運んだ。

汪氏は一九四五年十二月、中国安徽省生まれの五十四歳。芸術の道を歩みたいという子供のころからの夢を捨てきれず、写真家を志す。その後、多くの文人、画家か神仙境を描いてきた中国有数の霊山・黄山に魅せられライフワークとしてきた。同氏は八一年国際交流基金の研究員として日本に留学。その後日本を拠点に活動し、その高い芸術性は、ウィーン美術史博物館で現存芸術家としては初の個展を開き成功するなど、国際的に注目されている。