「毎日新聞」  

            1998.06.05.



ウィーンで「山水写真」展

 

「山水画」を思わせる独特の風景写真で知られる中国人写真家、汪蕪生さんの個展がオーストリア・ウィーンの国立美術史博物館で開かれている(8月9口まで)。ヨーロッパで初の個展に79点を出品。「西洋人には大きな衝撃を与えるはず」と欧州での活動に意欲的だ。

中国安徽省の出身。新聞社のカメラマン時代に故郷の霊山・黄山の荘厳な風景に魅せられ「理性ではわからないこの感動を写真で表現しよう」と決心。その結果、行き着いたのが山水画のようなモノクロ写真の世界だった。

1981年、日本に留学してから東京を拠点に活動し、「山水写真」の巨匠として欧米でも高く評価されるようになった。 
                            
【ウィーン・町田幸彦】