西洋崇拝の風潮から脱し
東京女子大学の元客員研究員汪蕪生氏が今月、日本橋三越で写真展を開催する。屏風や額装、また映像モニターも用いて、数百点もの作品が一挙に公開される。
汪氏の作品は山水写真と呼ばれていて、ほとんどがモロクロだ。山水画のように見えるので、絵と見間違える人もいる。大雑把にいうと、白とグレーと黒。この3色が融け合い、重なり合って、実に雄弁に語りかけてくる。
仙人が住んでいるという、中国の黄山を撮り続ける汪氏。これらの写真は、見る人の心に安らぎを与え、静かな感動を呼び起こす。また、なぜ汪氏がこんなに黄山に魅せられたのか分かるに違いない。ここには同じ東洋の美意識が存在するからだ。これらには、西洋崇拝の風潮から脱し、東洋にも目を向けて欲しいという、汪氏のメッセージが込められている。
また20日には池田満寿夫・佐藤陽子夫妻をゲストに迎え、汪氏とのトークショーを開催。同じく24日には、本学の名誉教授である森本哲郎氏が、25日には室伏哲郎氏と高田万由子さんがゲストとして予定されている。
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