《朝日新聞》千葉版

1982.06.27.

 

中国の写真家展

我孫子

 

来日中の中国の写真家汪蕪生(ワンウーシェン)さんの写真展が、我孫子市並木五丁目の常陽銀行我孫子支店ロビーで開かれ、人気を呼んでいる=写真。展示されている写真は中国の安徽(あんき)、江西、淅江の三省にまたがる標高千八百メートルの黄山を写したいずれも白黒の十四点。黄山は約百キロも続く山岳の中にあり、全山が鋭い岩山。作品はその奇岩と松、雲と被写体にしており、写真というよりも墨絵の山水画のような趣。

同銀行のロビーで定期的に絵画展を開いている近くの日本山林美術協会員木下誠一(五四)が本社発行の「朝日グラフ2月26日号」に掲載された汪さんの写真を見て感動、本人と交渉してわが国では初の写真展にxxつけた。近く汪さんも見学に来られる。汪さんは中国の新聞社のカメラマンで、カラー写真の技術を学ぶため、昨年の暮れに来日、東京都中野区に住み、都内の中華料理店で皿洗いのアルバイトしながら写真学校へ通っている。写真展は七月二十五日まで。